海外FXをはじめるとき、数ある海外FX会社からどの業者を選ぶのかが肝心。
提供されるサービスや価格、約定力、信頼度などは取引する業者によって変わってくる。
そのため、全く同じような取引をしていても、どのFX会社で取引しているかで収益は大きく異なってくる。
次の項目は、海外FX業者を選ぶ際のポイントをまとめたもの。
海外FX業者を選ぶポイント
- スプレッド
- 約定力
- 信頼性
- 安定性
- サポート力
- 商品ラインナップ
- 口座種別
ここでは、何を基準に選べばいいか迷っている方向けに、海外FX会社を選ぶポイントと、各要素ごとにおすすめの海外FX業者・口座を紹介する。
数字では表せない要素にも注目
スプレッド等の数字で明確に示された条件は、勿論多くの人が気にしていると思うが、海外FX会社では数字で表せないところにこそ思わぬ落とし穴が潜んでいる場合がある。
たとえば、選んだFX会社がシステムダウンしやすい、復旧が遅いなどのように「安定性」に問題があるところだった場合、取引が中断されて大きなチャンスを逃してしまうかもしれない。
また、海外FX会社のなかには理由をつけてなかなか出金に応じてくれない悪質な会社も存在する。他にも、入金しても反映されるのが遅いといったトラブルもある。
海外FX会社は、日本のFX会社のように信託保全が義務化されていない。つまり、仮にそのFX会社がつぶれた場合、証拠金が必ず全額戻ってくるとは限らない。
また、海外の場合は金融免許を持たずにFX会社を運営しているところもある。
分別管理ではない、免許がないといってその会社を100%危険と決めつけることはできないが、万が一のことを考え、FX会社を選択する際はその会社の提示する条件・運営体制・管理方法をしっかりと把握しておくことが大切だ。
海外FXおすすめPoint➀:スプレッド
FXは株とは違い、外付けで手数料を取る会社は少ない。
その代わり、買い価格と売り価格の差であるスプレッドが実質的な手数料となる為、各社のスプレッドを充分吟味する必要がある。
海外FX業者のスプレッドと手数料の比較例
A社(スプレッド+外付け手数料なしの場合) | |
Ask | 101.456 |
Bid | 101.436 |
スプレッド | 0.020 |
外付け手数料 | なし |
合計手数料 | 0.020 |
B社(スプレッド+外付け手数料なしの場合) | |
Ask | 101.472 |
Bid | 101.455 |
スプレッド | 0.017 |
外付け手数料 | なし |
合計手数料 | 0.017 |
C社(スプレッド+外付け手数料ありの場合) | |
Ask | 101.459 |
Bid | 101.446 |
スプレッド | 0.013 |
外付け手数料 | 0.00753 |
合計手数料 | 0.02053 |
※Bid・・・FX会社が顧客に提示する買値
当然ながら、スプレッドと手数料を足した合計手数料が安い方がより多くの利益を残せる。つまり、上記の例でいうとB社が一番効率よく利益追求が出来る。
スプレッドや合計手数料以外にも注目
スプレッドの狭さや合計手数料の安さは、海外FX業者を選ぶ上での大きなポイントだ。
しかし、海外FX業者を見た目の数字だけで判断するのは危険だ。
スプレッドがいくら狭く、外付け手数料が安い、もしくはなかったとしても、取引する際に様々なトラブルが生じるような業者では結果的に損失を出してしまうだろう。
そこで、スプレッドだけでなく、つぎの注目ポイントを総合的に見て、利用する海外FX業者を選んでほしい。
海外FXおすすめPoint➁:約定力
海外FX業者を選ぶ際、スプレッド以上に重要な事がある。それは、各海外FX業者の「約定力」である。
「約定」とは、注文が成立する事を意味する。そして、「約定力」とはFX業者において注文が成立する能力を指している。
約定力は、数字で測れる力ではない。なので、注文を出してから注文が成立するまでの項目を総合的に評価していく必要がある。
約定力をチェックするポイント
- 約定までの時間
- スリッページ(注文価格と実際に約定した価格の差)
- 約定拒否の頻度
例えば1ドルAsk:101,560円の時に、買いの成行注文を出した場合、約定まで2秒かかったら、それが「約定までの時間」となる。
また、その際に約定した価格が101.568円だとすると、【101,560 – 101.568 = 0,008】が注文時に指定した価格との差、つまりこの取引における「スリッページ」となる。
そして、これは指標発表時など価格が激しく動いている時に起こりやすいことだが、仮に1ドルAsk:101,560円のときに買いの成行注文を出したにもかかわらず、約定しない場合がある。これを「約定拒否」という。
こうした約定力の違いは、海外FX会社が顧客からの注文をどう処理しているかによって異なる。
FX会社が顧客注文を受けた場合の処理には、大きく分けて2種類の方式がある。
OTC(Over The Counter)方式
「OTC方式」では、顧客の注文をFX会社がいったん自己で決済する。顧客に提示するレートはFX会社が決めることができ、FX会社との取引となる。
たとえば、顧客がドル円を買うとFX会社は顧客にドル円を売ることになる。そのままドル円が上昇すると顧客が儲けてFX会社が損をし、ドル円が下がるとFX会社が儲けて顧客が損をする。
一部の悪徳FX会社はこの仕組みを悪用し、提示するレートを極端に操作して顧客のストップロスを誘発し、自社の利益とするなどの不正行為が行われていた。
まともな「OTC方式」のFX会社では、一度自社で注文を決済し、そのあとカバー先の銀行に流したり、顧客同士の注文を相殺(マリー)したりして自社と顧客が利益相反にならないような体制をとっている。
ただ、一度自社で注文を受ける関係上、値動きの激しいときや流動性の少ない時は極端なリスクを避けるため、大きな注文の場合は約定拒否や遅延が発生する場合がある。
海外FXを選ぶ際はOTC方式は避けた方がいい
日本のFX会社の場合、流動性が高くマリー率が高いうえにカバー先も豊富なため、OTCのデメリットは少ない。
しかし、海外FXのOTC方式の場合、約定レートが極端に悪くなる場合があるため、海外FX業者を選ぶ際はOTC方式のところは避けた方が無難だ。
NDD(No Dealing Desk)方式
NDD方式は所謂インターバンク直結方式。
顧客の注文は直接インターバンク(カバー先)に発注され電子的に執行される。
このため、FX会社が価格を左右したり、約定を遅らせたりするなどのリスクが排除され、またFX会社と顧客との利益相反もなく公正な注文執行がなされる。
FXをやっていると、インターバンクという言葉を耳にすることが多いと思うが、こういった名前の銀行が実在しているワケではない。実際にはECN(Electronic Communications Network)や直結カバー先(銀行など)の事を指す。
ECNとは個人投資家、ファンド、銀行、FXブローカーといった多くの参加者が相互に注文を出し合う、いわゆる私設取引所。株取引などと同じ板取引であり、板があれば約定する為、約定拒否や約定遅延がない。
こうしたECNのみをカバー先としたFX会社をECNブローカーと呼ぶ。
これに対し、直結カバー先(銀行など)に注文を出すFX会社をSTPブローカーと呼ぶ。多くのSTPはECNに直接カバー先(銀行など)を保有することで流動性を高めている。
このように、FX会社の注文処理形式によって約定力は大きく変わるが、海外FX業者を選ぶ際はNDD方式の業者を選ぶ方がいい。
海外FXおすすめPoint➂:信頼性
FX会社を決めるにあたり、所在国の金融庁に登録されているライセンスを持ったFX会社を選択しましょう。
海外FX業者の中には、どこの国の免許も持たず無登録で営業しているところもある。
こうしたFX業者の場合、折角利益を出しても出金スピードが遅かったり、出金を渋るといったトラブルが起こる可能性がある。
このため、必ずライセンスを持ったFX業者を選ばなければならない。
主要国登録業者を選択する
また、FX業者のライセンスがどの国のライセンスなのかということも事前にしっかり確認しておきたい。
ライセンスを保有している場合、ホームページにライセンスを保有している旨が記載されている。
一般的に、FXの取引通貨ペアに入っているようなイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの国のライセンスを持った会社の方が信頼性が高い。
分別管理をしている業者はさらに信頼性が高い
日本のFX会社では信託保全が一般的。一方で海外FX会社では信託保全は一般的ではなく、分別管理をしている場合が多い。
分別管理とは、顧客資産(預け入れた証拠金)と会社の資産を別々の銀行口座で管理する事をいう。
分別管理が徹底されていれば、万一FX会社がつぶれてしまった場合でも顧客資産は別口座で管理されているので返還されることになる。
海外FX会社を選択する場合は、トラブルが発生した時のことを考え、分別管理が行われているところを選んだ方が安全だ。
分別管理をしているかどうかについては、ホームページに記載されている。
海外FXおすすめPoint➃:サーバーの安定性
FX会社によってはサーバーが不安定なところもある。
サーバー管理が不安定だったり、顧客数に対してサーバーの容量が不足していたりすると、レート配信が止まったり、注文ができなくなるなどのトラブルが発生する恐れがある。
本格的な資金投入はサーバーの安定性を検証してから
サーバーの安定性は数値で判断することができない。そこで新規でFX会社を開拓する場合は、まず少額の資金で実際に試してみて、安定しているかをしっかり目視確認してみよう。
サーバーが不安定だと、せっかくの大きな取引チャンスを逃してしまう。特にスキャルピングやデイトレードなど短期トレーダーには致命的だ。
また、利益を出すチャンスを掴めないことはもちろん大きな痛手だが、最悪なのは損切りが出来ないことだ。
損切りの発注が適切にできないことで、損失が加速度的に拡大する危険性もある。
海外FXおすすめPoint➄:サポート体制
FX会社を選ぶ際、サポート体制も重要な決め手となる。
英語が完璧に使いこなせる人はトラブルが起きた際に直接英語で質問できるが、英語を普段使わない人は海外FX業者を利用することに少なからず抵抗を感じるだろう。
英語が出来ない場合は、英語サポートしかない海外FX業者は使わない方が無難だ。
注目すべきサポート➀:日本語対応とスピード
最近は多くの海外FX会社が英語・中国語・日本語での対応が可能なサポート担当者を置いており、質問やトラブルがあれば日本語で対応してくれる。
ただ、日本語サポートがあったとしても、その対応スピードが遅いと場合によっては大きな損失に繋がる可能性もある。
サポートは現地営業日ベースで24時間以内に返答がある会社が望ましい。
口座開設前に何か不明点が出てきた際に日本語のメールで質問すれば、その会社のサポート対応のスピードが分かる。
注目すべきサポート➁:MT4に対応
サービス面を考えるうえで、そのFX会社がどんなトレードシステムに対応しているかも重要なポイント。
海外FX会社を選択する時には、やはり『Meta Trader4 (MT4)』に対応した会社がおすすめ。
MT4はFXトレードの世界標準プラットフォーム。自動売買ソフトやインジケーターなど、既に多くの成果物が世間に出回っている。
MT4に対応している会社であれば、当然ながらそうした様々なソフトを使う事ができ、選択の幅が広がる。
また、MT4に関する情報は他のトレードシステムよりも格段に多く、書籍やネット上でも日本語で公開されているため、トラブル時や込み入った使い方を調べる際にも便利。
海外FXおすすめPoint➅:通貨ペア・商品ラインナップが多い
ドル円やユーロドルなど、メジャーな通貨ペアのみを売買する場合には商品ラインナップを気にする必要はない。
日本のFX会社でも最近は利用通貨ペアが増えており、ユーロオージーやユーロフランを取り入れている会社も出てきており、自由度は増している。
海外FX会社で扱われる商品ラインナップ
海外FXでは、さらにマイナーなポンドフランやオージーカナダ、オージーニュージーなどが取引対象となっている。通常はこれらの通貨をトレードすることは無いかも知れないが、通貨ペアが多い方がニュースなどのファンダメンタルズ要因でトレードする際に取引幅が広がる。
また、金・NYダウ・S&P500・NASDAQ100・FTSE・日経平均などのCFD(Contract For Difference)が用意されているところもある。
海外FXおすすめPoint➆:口座別に使い分けができる
日本のFX会社の取引口座は日本円で表示される(円口座)。
一方、海外FXの場合、開設時に取引口座をドル、ユーロ、円などから選ぶ事が出来る。
MT4のサービスによってはドル口座でしか利用できないものがあるため、用途に応じて使い分ける必要がある。
開設可能な口座数は業者によって違う
EAごとに口座を分けたり、MT4サービスごとに口座を分ける場合は複数の口座が必要になるが、開設できる口座数はFX会社によって異なる。
そのため、あらかじめ何個まで口座開設が可能かを把握しておく必要がある。どのFX会社もメールで問い合わせると返答してくれる。
また、複数口座開設の注意点として、休眠口座の取り扱いがある。
利用していない休眠口座が多いと、新たに口座開設が出来なくなる措置を取られてしまうケースが多い。
休眠口座が多い場合は、新規口座を開設するのではなく休眠口座に入金して使うようにしよう。
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